近年、医療機関では「薬剤師外来」を導入し、外来治療の質向上を目指しています。そこで、薬剤師外来とは何か、どんな役割を担い、どんな種類があるのかを紹介します。
薬剤師外来とは、医療機関で薬剤師が外来患者に薬学的管理を行うことをさします。
外来患者に適切な薬物療法を実施し、薬剤師が服薬指導などを通じて治療に介入するための取り組みとして導入されました。
薬剤師外来を導入することで、外来治療の質向上が期待されています。
日本は超高齢社会を迎えており、薬物治療を受ける高齢者が外来患者の多くを占めています。また、複数の薬剤を服用する患者が多く、併用における問題も指摘されています。
そこで薬剤師外来を導入することで、医師への処方整理の提案や患者さんへの指導を実施。高齢者をはじめ、患者さんへの適切で安全な薬物治療の提供を目指しています。
薬剤師外来の導入目的は、アドヒアランス向上もあります。アドヒアランス、つまり服薬遵守を目指し、患者さんが適切に服薬できるよう薬剤師が指導を行います。とくに抗がん剤や吸入薬、自己注射といった薬剤は、使用上の注意や手技確認が大切です。
今後は在宅医療が増えていくことから、患者さんのアドヒアランス向上は重要なポイントだといえるでしょう。
近年では医師の過大な負担が問題になっており、多職種の協力による負担軽減が求められています。とくに外来診療を行う医師の負担は大きく、医師一人で問診や診断、処方を行ううえ、1日に何人もの患者さんを診ています。薬剤師外来が導入されると、医師の薬物治療に関するタスクを薬剤師へ任せることができます。
薬剤師外来は、病院と地域を結ぶ窓口の役割を担うことができます。地域包括ケアシステムが推進されている現在では、地域の薬局や診療所と病院が連携することが大切です。たとえば手術前の内服薬確認や休薬指示は、周術期管理を安全に行うために重要ですが、薬剤師外来があることで、患者さんへの適切な指導を行えるでしょう。
薬剤師外来には複数の種類があります。たとえばがん化学療法外来や吸入指導外来、自己注射指導、術前外来など。ここでは、薬剤師外来の種類について紹介します。
抗がん剤治療患者に対し、抗がん剤の適切な服用を目的に、薬剤説明や副作用マネジメント、アドヒアランス確認を実施します。
たとえば気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患のある患者さんなど、吸入薬を用いる患者さんに手技を含めた服薬指導を行います。医師と協議し、患者さんの状態に合ったデバイスや補助具選定も実施します。
自己注射が必要な患者さんに対し、手技確認を行います。たとえばインスリンや骨粗しょう症治療薬、生物学的製剤などを服薬する患者さんが対象です。
周術期の安全な治療を確保するため、患者さんに現在の服用薬剤やアレルギー・副作用歴、既往歴などを確認します。なお、もしも周術期に服用できない薬や術前に休薬すべき薬剤がある場合は指導します。
外来治療の質向上を目的に、薬剤師外来を導入する医療機関が増えています。また、入院期間が短く外来治療を受ける患者さんが増えていくことからも、今後ますます薬剤師外来の需要は高まるでしょう。
ただ、人手不足などの問題から、薬剤師外来の導入が遅れている医療機関も多いようです。
また、2022年度の診療報酬改定では、薬局薬剤師が患者さんの入院時の持参薬整理や情報提供を行うことで、「服薬情報提供料」の算定が可能になりました。これにより、入院前からの薬薬連携を実現できます。
薬剤師外来の導入により、医師の負担軽減や外来治療の質向上を図ることができます。薬物治療を必要とする患者さんが増えていくことからも、薬剤師外来の有用性が示されていくでしょう。
現在、薬剤師外来のある医療機関は少ないものの、今後は増加していくものと考えられます。
キャリアアップが叶う理由
年収 | 700万~800万円 |
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昇給賞与 | 昇給年1回、賞与年2回 |
転勤の有無 | 岡山県外の転勤なし |
残業代 支払い有無 |
残業代支払いあり |
有給取得率 | 80%(2020年実績) |
キャリアアップが叶う理由
年収 | ※公式HPに掲載されている求人情報に年収に関する記載はありませんでした。 |
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昇給賞与 | 昇給年1回、賞与年2回 |
転勤の有無 | 全国転勤あり |
残業代 支払い有無 |
残業代支払いあり |
有給取得率 | 公式HPに記載なし |
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※参照元:薬キャリ(https://pcareer.m3.com/shokubanavi/feature_articles/216)